九州沖縄農業研究センター 九州の大豆 新形質大豆と特定用途大豆品種 フクユタカ

フクユタカ

豆腐加工適性に優れ、広域適応性のある多収品種。
日本で一番栽培されている品種。
豆腐用 東海地方、近畿地方、四国地方、九州地方

1 加工適性

  1. 加工上の長所・短所
     高タンパクで豆腐にした時、固まりやすく硬い豆腐ができます。また、豆腐に加工する際の収率が高く、豆腐・油揚げ用原料として高い評価が得られています。へその色が淡褐色であることと、蒸煮した時やや硬く出来上がるため、煮豆にはあまり向いていません。
  2. 品質に関するデータ(平成8〜10年の平均  育成地7月播種)
    項目  フクユタカ   トヨシロメ 
    粒大 中の大 中の大
    100粒重 27.6 27.6
    へその色 淡褐
    成分組成    
       タンパク質 42.5 40.2
       脂質 22.3 20.5
    注)タンパク質ならびに脂質は近赤外分析による。
      タンパク質含有率は子実の窒素含有率に6.25を乗じて算出。
      
  3. 育成場所における豆腐加工適性試験成績
    項目 フクユタカ トヨシロメ
    吸水率(%) 130.7 137.5
    豆乳収量 (g) 260.6 256.4
    豆腐破断強度 (g/cm2 130.0 89.0
    注)平成8年の豆腐加工適性試験結果。
     6倍加水の豆乳(原料50g)を作成し、凝固剤にはGDL 0.4%を使用。

2 栽培特性

  1. 栽培上の長所・短所
     広域適応性のある良質多収品種であり、草姿良く倒伏にも強いので密植栽培にも適応できます。しかし、早播きの場合の耐倒伏性は“中”程度となります。褐斑粒の発生は極めて少ないですが、ネコブセンチュウ、葉焼け病、さび病には強くありません。
  2. 栽培特性に関する育成場所での試験結果
    項目  フクユタカ   トヨシロメ 
    収量(kg/10a) 294 246
    早晩性 晩の早生 晩の早生
    コンバイン収穫適性    
        裂莢性
        耐倒伏性
        最下着莢位(cm) 13.1 13.4
    病害抵抗性    
        ウイルス病圃場抵抗性 極強
        ネコブセンチュウ抵抗性
    平成8〜10年度 生産力検定試験結果。
    但し、病害抵抗性については大豆特性検定試験結果。
      
  3. 栽培地域(平成10年)
    東海・近畿地方: 静岡(414)、岐阜(980)、愛知(2,495)、三重(1,060)、大阪(5)
    四国地方: 徳島(668)、愛媛(190)、高知(497)
    九州地方: 福岡(4,980)、佐賀(2,950)、長崎(689)、熊本(2,980)、宮崎(495)、鹿児島(310)
    括弧内の数字は栽培面積(ha)
  4. 栽培上の留意点
     慣行より早播きの場合は、栽植密度を低く押さえたり摘心するなどして倒伏を押さえ着莢の低下を押さえる必要があります。また、肥沃な水田転換畑での早播きは無施肥でも栽培できます。ネコブセンチュウには弱いので、同し畑での連作、水田転換畑においても3年以上の連作は避けて下さい。さび病、葉焼け病の発生し易い地区では、種子消毒、子実肥大期の防除を励行することが必要です。


育成場所:九州農業試験場(昭和55年育成)